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tueda's diary


2019-01-27 tueda's diary

_ 宇宙のシミ

プロローグ

我々は時間を感知することはできるけれども、時間軸に沿って移動することはできない。そして我々は、生まれれば必ず死ぬ。「死」とは、我々にとっては不可逆なものであり、避けがたいが故に、我々はそれを避ける事を熱望するのである。

これは種族としての人類においても同じことであろう。人類はいつか滅びる。この滅びの瞬間を少しでも先に延ばそうと、我々は努力を続けているのである。

さて、ここに時間と空間を区別無く認識する存在があったとしよう。この存在にとって「死」と言うものは、単に領域の境界に過ぎない。我々にとって、皮膚という境界の向こう側には自分自身は存在しないのと同じく、生まれ、そして死ぬという時間の境界の外側には自分自身は存在しないだけである。

この存在からみれば人類は、時空の特定領域に存在する「シミ」のようなものであろう。

人類の危機

誕生から数十万年が過ぎ、いよいよ人類の滅亡が近づいてきたかのうように見える昨今の世界情勢である。合衆国大統領は「アメリカファースト」を声高に叫び、強面のロシア大統領は周辺諸国への締め付けを強化しつつあり、そして大国となった中国では国家主席に権力を集中させ、国内では独裁を、国外に対しては「力による現状の変更」を強行しようとしている。

終末時計はついに、2分前にまで進められた。世界を破滅させるに足る兵器をもつこの3カ国の状況から、誰もが人類はもう破滅すると確信していたのである、否、むしろ、 本当はそこで破滅するはずであったのだ

西暦20xx年。代替わりした3カ国首脳が一堂に会し、3カ国が連合してひとつの共同体を形作ることに合意した。なんと、破滅するはずであった人類が、破滅の淵できわどく踏みとどまり、人類の叡智を結集し、さらに将来へ向けて大きく前進することになったのであった…

とある存在の家族の会話

母「あら、いややわー、顔のシミが大きくなってるやん!」

父「わ、ほんまやなー。まあお母ちゃんもトシやし、しゃーないんちゃうか?(笑)」

母「何へらへら笑てんの。誰がトシやって?(怒)」

父「え、え、いや、なんもいうてへんで。なあ、坊?」

坊「あのな、お母ちゃん。となりのおばちゃん、なんやええシミ取りクリーム知ってるらしいで。それ塗ってねたら、シミくらい一晩で消えるって。」

母「まあ、坊はええこと聞いてきたな。ろくでなしのお父ちゃんとえらい違いや。ほな早速となりでクリーム借りてくるわ…」

ーーー 翌日

母「いやー、ほんまにシミ消えたわ!すごいなー、このクリーム!」

エピローグ

誕生したという痕跡すら残さずに、人類は消え去った。


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