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tueda's diary


2016-07-11 tueda's diary

_ 日本国憲法

参院選の議席が全て決まったようです.改憲の発議に必要な参院の議員数は162.いわゆる「改憲派」と言われる自民,公明,お維新,こころを合わせて161議席.この後例によって数あわせのドタバタがあるでしょうから,発議に必要な数は揃った,という所でしょうか.

とはいえ,一口に「改憲派」と言っても各党で変えたい場所にも内容にも若干の相違はあるようですから,すんなり改憲案がまとまるとは思えません.これまでの歴史を鑑みると,妥協の結果,却って悪い事になるのではないかという危惧はいたしておりますが.

さて,憲法.

私も全文を丸暗記しているわけでもなければ,今回,各党の主張を見て「そんな条文が憲法にあったんや」と驚くなど,リテラシーも意識も大して高くない系です.とはいえ,「前文」「第9条」そして「第96条」というのが非常に重要なのでは無いかと考えています.

前文

私が親父から習った本の読み方を紹介します.

  • まず「まえがき」「はじめに」を読む.ここに著者の書きたいことが全てまとめられているはずであるから.
  • 次に「目次」を読む.これでその本の全体を把握することができる.
  • 「索引」から読むのは下の下.重要な用語も,良書であれば「目次」から探す事ができる
  • こういう読み方が出来ない本は読まなくて良い

憲法の前文はつまり「まえがき」であり,この憲法が制定された理念が明確かつ格調高い日本語で,世界に向けて高らかに宣言されているべきものだと考えます.今の憲法前文は,とても良いと思います.表記にやや古めかしさがありますが,70年たった現在でもちゃんと意味が取れますし,とても格調高い日本語でかかれていると感じます.

何より,日本独自の視点ではなく全世界の恒久平和を希求するなど,これをこのまま「世界憲法」にしても良いのでは無いかというほどの大変高い理念が貫かれています.

https://www.jimin.jp/policy/policy_topics/pdf/seisaku-109.pdf

ここに,自民党が出している「日本国憲法改正案」があります.

まずもって前文が完全に日本独自の視点にレベルダウンしています.日本の歴史が長いとか独自の文化をもってるとか,それは大変素晴らしい事ではありますが,そんな事を全世界に向けて高らかに宣言して,同じくらいあるいは倍以上長い歴史を持つ諸民族の皆さんの共感や感嘆を引き出せると思っているのでしょうか?

そして「長い歴史」を吹聴しているわりに「先の大戦による荒廃」とか「今や国際社会において重要な地位を占めて」いるとか,そんな自分本位あるいは独善的かつ近視眼的な話を,いやしくも日本国民の理念を全世界に宣言すべき大切な「憲法前文」の中心的趣旨に配置するとは,これを作成した方々の見識や教養を疑ってしまいます.

今回の選挙の結果が,こういう憲法改正案を恥ずかしげもなく公開して「どや顔」をしている自民党の圧勝という形で終わった事は

「これから日本国民は国内に引き籠もり,我々日本人だけでこの美しい国土と文化を守っていくのです.みんな余計なちょっかいをかけないでね」

という国にこの日本を変えていくのだ,という国民の意思表示なのでしょうかね(いやもう変わってるかも).多くの国民がそれを支持するなら,残念ながら,私はもう愛するこの日本には居られないということなのかもしれません.

もしそうでは無いのであれば(そうでは無いことを切に望みます),今後出てくるであろう憲法改正の発議に対して,日本人として胸を張って世界に誇れる憲法案となっているかを,どうぞ国民の皆さんにはちゃんと吟味して国民投票に臨んで頂きたいと思います.

国会の発議は議員の2/3ですが,国民投票は「投票総数の過半数」で改憲案が通ります.白票などの無効票は「投票総数」に含まれません.今回の比例区でのいわゆる「改憲派」の得票率を見ると,国民投票で過半数を得るハードルはさして高いようには思われません.

長くなりました.第9条,第96条については,また.


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